絵画と戦争『FOUJITA』
2015年はたくさん映画をみました。
見納めは期せずして絵画にまつわる2本になりました。
雰囲気でてますよね~
制作予告時のこの写真だけでたまらなく観たくなった映画です。
フジタと言えば日本人ながらエコール・ド・パリ派の画家として
パリで大人気を博した画家です。
フーフー(お調子者)というニックネームがお気に入りで、
頽廃的、享楽的な生活を送り、たくさんの恋に溺れ、、、
乳白色の陶磁器のような肌を持つ婦人の絵と猫の絵が特徴的です。
映画の画面も白を基調とした色彩がとても豊かです。
浮ついた華やかさが時に物悲しくもあるのですが・・・
お洒落なモンマルトルが賑やかに美しく映し出されます。
そんな彼でしたが、戦時下は日本に帰国します。
画面は一転、沈鬱なモノトーンの情景が言葉もなく流れます。
この時代、フジタは軍服に身を包み
「アッツ島玉砕」のような戦意高揚のための絵を描いています。
清らかな乳白色は、泥と血にまみれた茶褐色の画面に変貌しました。
戦時下では音楽も美術も戦争のために利用されます。
そんな時代はまっぴらごめん!!
戦争が終わると、当然のごとくフジタには逆風が吹きます。
戦争協力したということで画壇から非難されたフジタは
日本から逃げ出すようにパリにもどり、
以来、終生日本の土を踏むことはありませんでした。
最後はスイスで亡くなっています。
彼の胸に去来する想いは何だったのか・・・
平和に感謝します。