北陸南画院春季展
高岡文化ホールで開催されている
第68回「北陸南画院春季展」を観てきました。
68回ということは、年に2回の開催として
34年間も続いているということになりますね。
すばらしい~! 無憂華の会もあやかりたいものです。
水野澄風『植田』
わたしの伯母の作品です。
わたしはこの伯母に筆を持つことの手ほどきを受けました。
もう30年以上前のことです。
一本の線を書くことすらままならなかったわたしを
伯母は懇切丁寧に指導してくれました。
書道は主にかなと隷書を、
そして水墨画も初歩の初歩を教わりました。
わたしが今写仏を描いているのは
この時の基礎があればこそです。
伯母の長い人生をつぶさに知るわけではありませんが、
波乱の人生であったことは間違いありません。
早くに親に死に別れ、
夫に死に別れ、
再婚して、
子供に先立たれ、
再び夫に死に別れ、
いま卒寿を過ぎて老人施設でひとり暮らす伯母です。
伯母は書と水墨画と俳句を生きがいにしていました。
高齢になっても創作意欲はますます盛んで
公募展だ、句会だ、と東京へもしばしば出かけていました。
指導者としては60代から本格的に取組み、
80歳の頃には弟子の数は200人を越えていたようです。
これは30号の大作『渓流静瀑』、
この展覧会のために90歳を過ぎて描いた新作です。
伯母の気力、胆力、創造意欲にはとうてい及びませんが、
彼女を思うと、
自分がまだまだひよっこであることを自覚し、
と同時にまだまだ頑張れる!と勇気をもらえます。
伯母さん、本当にあなたに感謝しています!