研鑽【10-②】法隆寺阿弥陀三尊像
法隆寺金堂6号壁画阿弥陀浄土図から阿弥陀三尊像(表具前)です。
墨と胡粉(白)と金泥のみを使って仕上げました。
出展はこちら ⇓ もちろん国宝です。
どことなくエキゾチックな飛鳥時代の美しい佛菩薩、
インドのアジャンター石窟寺院の菩薩像の面影が垣間見えるようです。
この壁画は法隆寺金堂の外陣の壁面を荘厳しておりました。
全部で12面、それはそれは美しかったと思われます。
これらの美しい壁画は昭和24年に不慮の火災で焼損しました。
日本美術の大損害、大いなる悲劇でした。
幸い、昭和10年に文部省の委嘱により壁画の記録・保存のための
原寸大での写真撮影が行われていました。
その時の写真を撮影したのが京都の便利堂です。
折しも高岡市美術館では、
便利堂の写真による「美の記憶」展が始まりました。
世界的にも注目されている便利堂のコロタイプ印刷、
原寸大の美術品の数々が展示されています。
中でも最大の呼び物は法隆寺金堂壁画です。
たまたま6号壁画を制作中だったわたしは、
TVニュースで展覧会のことを知り、
これは是非とも完成前に見なければ!!と思い、
時間は惜しかったですが、美術館に車を走らせました~
12枚の壁画が、複製とはいえ一望できるとは無上の喜びです。
部屋に入るとドキドキワクワク~(*^。^*)
法隆寺に行っても、内陣にさえぎられるわけなので
今回のような贅沢な空間は味わえません。
12枚の壁画に囲まれ、しばし至福の時を過ごしてきました。
本当に素敵でした~!!!
さて、
恐れ多いことと思いながら写仏させていただきました。
まあ、写仏はいつでも恐れ多いのですが、、、
白描です。左右の菩薩の色が違って見えるのは写真のせいです。
バックを塗り、墨を少し塗ったところです。
白と金が入りました。
金で仕上げをしています。
本物にはもちろん及びもつきませんが、
わたしの精一杯です。。。
秋の作品展に出品する予定です。